29日の朝、日本では実に1年8ヶ月ぶりの死刑が執行された。
死刑が執行されたのは1999年9月、山口県下関市のJR下関駅にレンタカーで突入し、歩行者を次々とはねたうえ、包丁で切りつけるなどして5人を殺害、 10人に重軽傷を負わせた上部康明(うわべ・やすあき)死刑囚(48)。2002年7月、横浜市で、当時、別居中だった妻を連れ出そうと実家に侵入し、妻の両親ら3人 を殺害した古沢友幸(ふるさわ・ともゆき)死刑囚(46)。2001年11月、生活費や遊ぶ金ほしさに宮崎県内の住宅に侵入し、女性2人を殺害して現金を奪った松田康敏(まつだ・やすとし) 死刑囚(44)の3名。
前回の死刑執行は2010年7月。宇都宮市の宝石店で女性従業員6人を焼死させ、1億4千万相当の貴金属を奪ったとして、強盗殺人の罪により死刑執行された篠沢一男。埼玉県熊谷市で飲食店従業員などの男女4名を殺害し、死刑執行された尾形英紀の2名。千葉元大臣のあとに就任した4人の法務大臣は、いずれも勉強会で議論されていることなどを理由に執行を見送ってきた。
裁判員制度導入後も刑は滞り、現在の死刑確定囚は30日現在、132人。2009年の政権交代後、死刑執行は急減し、昨年は19年ぶりに執行がゼロだった。小川法相は執行後の記者会見で、「刑罰権は国民にあり、その国民の声を反映 する目的で導入された裁判員裁判でも死刑が支持されている。執行に反対はあっても職責を果たすべきだと考えた」と執行に踏み切った理由を述べた。

上部康明死刑囚(48) 犯行当時(35)
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